大切な人に贈りたくなる魚のお漬け物(2)
求道の酒造りが生んだ珠玉の酒粕
① 上原酒造は比良山系の美味しい水が湧水として溢れる集落にある160年続く酒蔵です。現社長の上原績さんは、お母様が「息子は周りが反対しても自分のこだわりを貫き、曲げようとしない変わり者なんです。」とほほ笑みながら語るほどの、独自の哲学を持った蔵元です。績社長の代になってから、自社で精米の比率を調整するため精米機を導入し、木桶を復活させ、全国でもわずかな酒蔵しか行っていない、「木槽天秤しぼり」も復活させています。「木槽天秤しぼり」とは酒を搾る工程を圧搾機を使わずに、梃の原理で巨大な重りを使って搾る伝統的な手法で、現在では全ての酒を「木槽天秤しぼり」で搾っている酒蔵は全国にも殆ど有りません。
② 酒造りに使う水は全て店に湧き出す湧水を使用。
③ アルコール分を作り出す酵母は代々受け継がれている蔵付き天然酵母を使う「山廃仕込み」。
※総杉張りの麹室。上原社長は「麹作りが酒蔵で一番大切」と仰います。
④ 「木槽天秤しぼり」は、圧搾機に比べると搾りすぎないのが特徴です。ゆえに、雑味のない日本酒ができ、一方で酒粕にはまだまだお酒の成分が残っているのです。この酒粕を一年寝かせて熟成させると独特の甘みが増し、クリームのようなしっとりとした酒粕となります。これこそが10% I amの商品開発を担当している中島に「上原酒造の酒粕じゃなければ出来なかった」と言わしめた厳選素材なのです。こんなに美味しい酒粕ですが、ひと昔前は地元の方々が漬ける、奈良漬けや粕漬けの材料などであっと言う間に売切れていたのに、漬物を漬ける家の減少にともない地域内での消費はわずかになってしまいました。
(左) 木槽天秤しぼりの様子 (右上) 酒を搾り終わった布袋から酒粕を取り出す作業 (右下) 出来たばかりの酒粕
※踏み漬けして一年熟成させたクリーミーな酒粕
~酒粕味噌漬けの味へのこだわり~
① 一番のポイントは「木槽天秤しぼり」で作る上原酒造の1年熟成させたクリームのようになった酒粕を使うこと。比較のために様々な酒粕味噌に漬けてみた結果上原酒造の酒粕ほど美味しく漬かったものが有りませんでした。
※上原酒造の一年熟成させた酒粕
② 酒粕と味噌の麹の酵素で発酵熟成させた、旨味が凝縮した切り身の食感はご自宅で料理屋さんの味をお楽しみいただけます。