代表取締役の平井がインタビューを受けました(2)

発酵処⽅箋。周囲の⼈と仲良くしたい⼈には、発酵⾷品?

あなたのお悩み、発酵で解決できるかも?⼀⾒発酵とは関係ないようなお悩みでも、滋賀の発酵商⼈にお任せあれ。「思い通りにいかないことにイライラしてしまう」というお悩みに寄り添ってくれる処⽅箋を、株式会社共⽴の平井俊旭さんから伺いました。

私たちが⽣きているのは、菌のおかげ?

 

「⼈体の肌などの表⽪には、⼈の細胞 1 に対して、9 の微⽣物が住んでいるという説があります。あくまでひとつの仮説ですが、腸内には 100 兆個もの腸内細菌が⽣息しているとも⾔われているんですよ。私たちが⽇々⾷べている⾷事を、栄養としてきちんと腸が吸収できるのは、腸内細菌が働いて分解してくれているおかげ。つまり、私たちは、⾃分⾃⾝の細胞の何倍もの菌と、体の中で共⽣しないと、⽣きていくこともできないんです」。私たちは、ついつい⾃分の体は⾃分のものだと思いがちですが、実はそうではなかったということなのでしょうか?「そうです。⾃分で⽣きているつもりが、実は⼈の体は菌の住み家。惑星ともいえそうです。⼈は、菌のために⽣きているみたいなところもありますよ。だから、⾃分のことだけ考えるのではなくて菌と共にどう⽣きていくのかを考えながら、菌に対して謙虚な気持ちで付き合っていけるといいですよね」。⾃分本意だと、些細なことでイライラしたり悲しくなったりすることが多いかもしれないけれど、気づかない部分で助けてくれる存在がいるとわかると、⼼も落ち着くものではないでしょうか。菌にも⼈にも、ちょっと感謝しながら⽣きていきたいものですね。

 

キムチやチャンジャなどの発酵⾷品を作っている「班家⾷品」は、いわば菌の扱いのプロフェッショナル。⾼島市に⼯場を保有していることもあり「ローカルなコンテンツを使って独⾃の商品開発を進めたい。⽇本の発酵は、韓国にはない技術。韓国をはじめとした世界の発酵の知恵と掛け合わせて新しい発酵⾷品を提案してゆきたい」と「班家⾷品」の洪社⻑も熱意を持って取り組んでいるのだそう。

「私⾃⾝も、発酵の可能性、⽇本の漬物には可能性を感じていました。だからこそ単に漬物という⾔葉だけで、先⼊観で判断され、流⾏遅れのようになってしまうのはもったいないなと思ったんです」と、平井さん。そこで、「10%Iam」では、漬物を「漬けておいしくするもの』と再定義。素材が持つ天然成分を発酵菌(乳酸菌、麹菌などの発酵を促進する菌類や酵⺟)によって分解し、旨味を作り出すことで化学調味料に頼らない味づくりにこだわっています。

「班家⾷品 滋賀⼯場」では、「10%Iam」の商品たちが⼿作業でつくられています。「⼀⽅で、商品は量産することが必要ですから、作る側の思いだけが強すぎてもだめなんです。平井さんは、商品開発では合理性だけを追求しているわけではありません。「⼤量⽣産している規模の⼯場で、⾃分たちの⼿でそうした漬け物を漬けるのは、とても⼤変な作業です。労働⼒やコスト⾯から考えても、普通の量産⼯場ではなかなかできません。でも、その普通はやらないこと、他があまりやりたがらないことをやるのが『班家⾷品』の魅⼒ですよ」。お互いのポテンシャルを活かしつつ、より良いものを作り、かつ継続的に提供しあえる関係性が素敵です。「10Iam」が提供する発酵⾷品のコンセプト「発酵菌と仲良く暮らす」のように、私たちも、体内で暮らす菌や周囲の⼈々と仲良く暮らしていきたいものですね。

 ライタープロフィール:松岡⼈代 滋賀県甲賀市出⾝、在住。⾼知県・四万⼗農協広報勤務を経て、滋賀県へ U ターン。 2015 年よりフリーライターとして、取材・執筆を⼿がけています。⼀度外に出たことで滋賀の地域や⼈の魅⼒を改めて実感!