代表取締役の平井がインタビューを受けました(1)

発酵で暮らしを豊かにするオンラインマガジンの『滋賀発酵商店』さまのインタビューを受けました。滋賀は、古くからながくながくつづく発酵のプロがたくさん活動する場所。商店街を歩くように出会える、発酵のプロ=発酵商人たちと一緒に、発酵に関するたくさんの『!』をお届けしてくれるサイトです。

~ 以下インタビュー記事より~

平井さんが韓国の伝統キムチを製造する「班家⾷品」と共同出資して設⽴した(株)共⽴で製造販売しているのが次世代漬け物ブランド「10Iam」です。漬け物を「漬けておいしくする物」と再定義し、発酵の⼒を⽣かして、化学調味料に頼らない味づくりにこだわっています。「『10%Iam』の発酵プロジェクトを始める際に、パートナーである班家⾷品の洪(ホン)社⻑に進められた書籍があるんです」と平井さんが教えてくれたのが、イギリスのサイエンスライター、アランナ・コリンによる『10% Human/ Alanna Collen」(*1)でした。

聞けば、⽣物学を研究していた⼤学時代のアランナ・コリンはコウモリに魅せられ、コウモリ学者の助⼿として赴いた東南アジアにてダニを媒介とする感染症を発症。瀕死の状態で帰国し、抗⽣物質を飲むことで無事完治したものの、今度は慢性的な⾝体の不調を感じるようになってしまいます。アランナ・コリン⾃⾝の体験から、抗⽣物質により腸内細菌がダメージを受け、悪い微⽣物だけでなく良い微⽣物までも失ってしまったのではないかといった仮説から研究が始まる、腸内細菌の重要性を説いた書籍です。

⼈間の免疫や腸内細菌について、熱く語ってくれた平井さん。わかりやすい説明でした。

 

「⼈間の免疫の 7 割が⼩腸にいると⾔われているんです。でも化学調味料を使った⾷材をたくさん⾷べたり、抗⽣物質を飲んだりすることで、⼈にとって悪い影響を与える菌だけでなく、良い働きをしてくれている菌も殺してしまう可能性がある。腸内には、善⽟菌・悪⽟菌、そして善⽟、悪⽟どちらにもなり得る⽇和⾒菌がいるのですが、腸内環境のバランスが崩れると、⽇和⾒菌が悪⽟菌になり、⼀気に腸の中の勢⼒圏を広める。すると、本来免疫と共⽣していた腸内細菌が、免疫に誤作動を起こさせるような悪影響が起きることも考えられます。21 世紀病と⾔われているようなアトピー性⽪膚炎などもそのひとつだと⾔われています」 発酵については、まだわからないことも多く、研究が進められている真っ最中。例えば保存⾷として作られてきた発酵⾷品も、研究が進むなかで腸に良い影響を及ぼしていることが判明しつつあるそう。特に麹菌や乳酸菌などの菌の死骸⾃体は、腸内細菌の餌になるため、腸内細菌の活性に⼀役かっているそうですよ。

*1:『10% Human/ Alanna Collen(あなたの体は9割が細菌 微⽣物の⽣態系が崩れはじめた)』アランナ・コリン著、⽮野真千⼦訳、河出書房新社、 2020 年 

ライタープロフィール:松岡⼈代  滋賀県甲賀市出⾝、在住。⾼知県・四万⼗農協広報勤務を経て、滋賀県へ U ターン。 2015 年よりフリーライターとして、取材・執筆を⼿がけています。⼀度外に出たことで滋賀の地域や⼈の魅⼒を改めて実感!